八潮幼稚園


令和4年度園長だより




NO1
(学)八潮会 八潮幼稚園

園長 豊島呈次

 新しく入園した花組さん、入園おめでとうございます。山組、森組のお兄さんお姉さんと仲良しになって遊んでください。「明日も早く幼稚園に行きたい」と子供達が毎日わくわくする幼稚園になるよう教職員一同力を合わせて参ります。どうぞよろしくお願いいたします。
 さて令和4年度は、花組21名、山組24名、森組17名 計62名の園児を、担任、非常勤、補助、職員14名全員で子供達の人間形成と自立に向けて、遊びを通して非認知能力を育てて参ります
 昨年度は、教職員は非認知能力を育成する保育を進めてきました。その結果、卒園児も、年中、年少の園児も落ち着いた集団活動ができ、集中して話も聞けるようになりました。着実に非認知能力を身に着けてきました。
 今年度は教職員のプロとしての指導力・保育技術等を磨き、園児・保護者の信頼を得ることが出来る保育を継続してまいります。

[令和4年度八潮幼稚園運営方針]です。

 
 十分な感染防止対策を講じて園児の資質・能力を育む保育を行います。
今年度の目指す園児像は【かしこく、やさしく、 たくましい子】です。
 [かしこく]は、明るく積極的で前向きに考え、友達と良好に関われる力を身に付け善悪をよく考え行動出来る子。
 [やさしく]はコミュニケーションを十分に取り相手の気持ちや考えを理解して人にやさしく接することが出来る子。
 [たくましい]は困難なことにも粘り強く取り組む子。です。
 このことを達成するための活動は以下の通りです

 @ 自ら考えて活動する(主体的)A自分のことは自分でする(自立)B自ら考え自分の言葉で表現する(創造力・表現力)C話し合って解決する(コミニュケーション力)
日常の活動や行事を通して保育を充実させていきます。
保護者の皆様には、幼稚園の方針をご理解いただき、ご協力をいただけるようお願いいたします。




NO2
マスク着用は?

(学)八潮会 八潮幼稚園

園長 豊島呈次


 令和4年度がスタートして一ヶ月がたちました。新入園児の花組さんは毎日正門で園長や事務長、担任の先生に「おはようございます」と元気に挨拶ができて登園しています。お部屋の中でも少しずつ幼稚園生活に慣れて笑顔が見られます。
 山組さんは2階の部屋に移動しクラスの場所が変わりました。年少から一つ上のお兄さんお姉さんになり頑張ろうという意識を感じます。
 森組さんは自分の考えを出し合って色々なことを話し合って決めています。また、進んで皆のためになることを探して自主的に取り組んでいます。年長としての自覚が芽生えてきています。どのクラスも良いスターが切れて、これからの成長が楽しみです。

 さて、4月20日(水)の読売新聞に幼稚園・保育園の入園者数は2025年を境に減少して保育園は過剰供給となり閉園も出てくるとの記事が掲載されていました。それは、働く母親が増えても少子化の急速な進み具合についていけず、またコロナの影響もあって保育園への入園も控えているからだそうです。

 少子化の影響は品川区の私立幼稚園でも見られます。今年は定員割れの園が増えました。八潮幼稚園も今年度は定員割れでした。
 専門家の講師吉田正幸は、今後私立幼稚園が生き残るには(1)「保育の質の向上」と(2)「園の特色」を出していくことが重要となると言われました。 八潮幼稚園では非認知能力の育成に重点を置き定期的に園内研修を行い教員の指導力を高め(1)の「保育の質の向上」を図っています。

 その成果は、昨年度の年長の「返事や挨拶」「友達に対する優しさ」や「話し合って決める」「協力して最後まで頑張る」等の姿から感じ取ることができました。年少や年中からも感じることが出来ました。新しく採用された教員は八潮幼稚園の子ども達の「挨拶が素晴らしく」「皆優しく」「大声を出さなくても切り替えが出来る」等と感心していました。
 
(2)の「園の特色」は「@非認知能力の育成」「A日本の伝統文化の理解」「B泥団子作り」です。何故「泥団子作り」なのかというと、年長の作ったぴかぴかの泥団子の完成品に年中年少があこがれ、製作までの工夫を体験していく過程の中で様々な知識や技術、コミュニケーション能力が育つことが期待されるからです。

 八潮幼稚園の使命は、「子ども達の心身共に健やかな成長を育成することです。」
これは、父母の会の会則2条に「本会は八潮幼稚園と協力し園児の心身共に健やかな成長を目指し、会員相互の親睦を図ることを目的とする」と共通の目標です。 
幼稚園からの具体的な方針に沿って協力していくことが子ども達の非認知能力の確実な育成に繋がります。幼稚園だけで育てるだけでなく保護者の方々のご理解とご協力がとても重要になってきます。どうぞよろしくお願いいたします。




NO3
泥団子作りから得られる効果

(学)八潮会 八潮幼稚園

園長 豊島呈次


 梅雨明けの7月。道ばたに咲く花も紫陽花からアサガオに代わり夏の訪れを感じます。幼稚園では苗から育てた茄子、ミニトマト、ピーマンが実り、子供達は、収穫するまでの過程で花の色や形や匂いなど新しい発見をしながら栽培の楽しさを味わっていました。また、園庭では友達と話し合ったり水遊びを楽しんだり泥んこ遊びや泥団子を作ったりしている中でも新たな新しい発見をしていました。  

 日本の夏と言えば、涼しさを感じる風鈴の音や打ち水、夜には天の川を観たり七夕に願い事を書いたり花火を楽しんだりと日本ならではの伝統の夏を楽しむ季節になりました。ご家庭でも伝統的な行事を味わってみるのもいいですね。

 さて、八潮幼稚園では園庭遊びを推奨しています。その理由の1つは、紫外線を浴びることによってビタミンDが作られます。ビタミンDはカルシウムを作り丈夫な骨を作ります。怪我にも強い身体が作られるからです。
また、朝に紫外線を浴びると、夜にメラトニンの分泌が増えて自然な眠気が起き良質な睡眠につながります。成長期の子ども達にとって睡眠はとても大切です。紫外線は健康な身体作りには欠かせないものなのです。熱中症や紫外線の健康上のデメリットにも細心の注意を払って園庭での活動をしていきたいと思います。
 現在、八潮幼稚園の園庭では子ども達の泥団子作りが盛んです。

それでは、泥団子作りからどんな効果が得られるのでしょう。
・手先、しかも両手を使って作るので『脳がとても活性化』される
・壊れないように力加減をしながら作る事が、『予測力』に繋がる
・無心になって作る事で、『集中力』が養われる
・崩れてしまう経験が、『失敗から学ぶ経験』に繋がる
・どうしたら作り上げられるか考える事で、『試行錯誤力』に繋がる
・上手に出来上がった事で、『やり遂げた感(達成感)』を知る事が出来る
・「水っけがあると土がくっつく」という『表面張力』について触れられるので
『理科的常識』も身に付くということなど学習効果がたくさん得られます。
正に泥団子作りは子ども達の非認知能力を育てる最高の教材ですね。

 世の中は全国版・都民版GOTOトラベル、GOTOイートなどが始まっていますが、withコロナが続く環境の中、感染や熱中症を防ぎながら子供達が安心して楽しい園生活が送れるように対応しています。園庭遊びはマスクを外どろして活動していますが状況をみて、園内外問わずマスク着用不要も考えています。コロナ感染もまだまだ油断が出来ません。制限が多い中での活動が続きますがご理解ご協力をお願いいたします。                    



NO5

夏休みを楽しく健康に過ごしましょう

学校法人八潮会八潮幼稚園

園長 豊島呈次


 今夏は、コロナ感染防止、熱中症防止に努める日が続きました。4月の登園から何名かのコロナ感染や濃厚接触はありましたが、学級閉鎖や休園をする事も無く、また大きな事故もなく無事一学期を終えることができました。保護者の皆様には早めの対応などご協力いただきありがとうございました。第7波が訪れている今日この頃ですが、先ずは子ども達が健康で過ごすことが最も重要なことだと考えています。

 7月12日(火)はZOOM「ドール食育キャラバン」を園児全員で観賞することが出来ました。その日の給食時間には、苦手な食材をためらっている隣にいる友達に「さっき博士が言っていたよね」と頑張るようにと勧める姿も見られました。
どのクラスも「博士が楽しかった」などの感想がありましたがこれをきっかけに少しでも色々な食材を楽しんで味わうことが出来たらと思っています。
また、健康には「早寝・早起き・朝ご飯」の大事さを伝えていましたが、それを「早寝はパー、早起きはグー、朝ご飯はチョキ」で子どもに分かりやすく表現していました。

 私は、降園時に小学校に向けて、年長児とは「パラパラ」「ゴロゴロ」「ジョキジョキ」などの音のオノマトペでヒントを出したり「0・2・5」などの数のヒントを出したりして、じゃんけんをしています。今度は「早寝・早起き・朝ご飯」をヒントに出してみようかと思っています。子ども達は頭の中で想像力を働かせて答えを導き出す姿を見て可愛らしく成長を感じます。

 小学校の学習指導要領の改定では「主体的・対話的で深い学び」の視点で授業改善を行い「生きる力」を育むのですが、幼児教育では小学校教科の先取りではなく「遊びや生活の中で生きる力の基礎を培う」のです。じゃんけんからも色々な基礎力が付けられるよう工夫をしていきます。

 さて、花組7/5 7/14 山組7/8 森組7/13に東品川文化センターでクラス間の
親睦会を行いました。役員の方々のお陰で、普段なかなか話す機会のない皆さんと
話すことが出来てとても良かったし楽しかったなどと大変好評でした。お互いに
理解し合うことで困った時に助け合うことができる関係作りが出来ることを願って
います。
 
 今年も、園長からの宿題「旬の野菜の入った親子弁当作り」を出します。ご家庭でお弁当作りを楽しんで好き嫌いが少しでも無くなったら嬉しく思います。



NO6
質の高い保育を進めるために

学校法人八潮会八潮幼稚園

園長 豊島呈次

 夏休みが終わり、園児達の元気な姿が幼稚園に戻ってきました。2学期は、敬老会、運動会、クリスマスコンサートなど子どもの育ちを見ることが出来る行事が続きます。八潮幼稚園の子ども達の成長した姿を楽しみにご覧いただきたいと思います。
 
 さて、夏休み中の園長宿泊研修会で、保育学・教育学の第一人者である、東京大学名誉教授・白梅学園大学名誉教授の汐見稔幸先生を講師に研修会を行いました。汐見先生はNHKEテレ「すくすく子育て」や全国の「保育者のための講演会」も多く、その実績は国際的にも高く評価されている先生でもあります。
 
 園長会研修会のテーマは「質の高い保育を進めるための園長の役割」でした。先生のお話の中で幼児期が人生の中で最も大切な時期であること、そしてこの時期に非認知能力を育てることが園長に求められること、それを実践することで質の高い保育を進めることが出来るといった内容でした。具体的には、日本の産業の発展に大きく寄与した松下幸之助や本田宗一郎は小学校までしか出ていないが、貧しい子ども時代に様々な経験の中で友達との楽しい遊びを工夫したり物作りに没頭したりしたことがその後の人生の成功に繋がった例を話されました。
 
 園長は幼児期に子ども達に様々な体験が出来る環境を設定することが必要になり、保育者は子ども達の興味関心を引き出し認め伸ばす言葉掛けがますます重要になってくることを強調されていました。非認知能力を育てるには園長や保育者、保護者の非認知能力への理解と実践力が求められているのです。

 八潮幼稚園では「質の高い保育」を進めるために「非認知能力の育成」を基本方針として保育を進めています。築山の設置、遊びの活動スペースを増やすための園庭のブランコの撤去、子ども達が工夫して物作りや遊びが出来るよう園庭の環境整備を行いました。1人1人をきめ細かくしっかりと見て声かけが出来るよう八潮幼稚園の教職員全員が内藤先生から研修を積んで指導力向上を図ってきました。

 八潮幼稚園では「きめ細かく質の高い保育を確保する」ために1学級に2名の教職員を配置し、園児の定員数を34名から24名にして1人1人をしっかりと観て非認知能力が身に付くように保育を行っています。八潮幼稚園の「非認知能力を身に付けるための保育」は汐見先生の話を伺って改めて間違いがない保育を進めていると確信しました。

 八潮幼稚園では「きめ細かく質の高い保育を進める」ために他園に比べて1クラスに複数の教員が関わっています。しかし、環境整備、行事への補助、教員の処遇改善、教材教具や物価の値上がり、講師への謝金等の出費が増えています。

 経費削減のために、1クラスの定員数を増やす(24名→34名)」「教員の数を減らす(一般的に1クラス教員1名)」「「教員の処遇改善を据え置く(昇給停止)」等の措置は教員の意欲の欠如に繋がり質の高い保育を進めることに逆行することになるため実施はできません。そこで、令和5年4月からの保育料を1割値上げの3万3千円にすることに致します。保護者の保育料の負担は月3700円になります。

 しかし、100人以下の小規模園には保護者の負担を増やさず現状の園児数と教員数を確保することが出来る国の新制度(施設型給付幼稚園)が昨年度紹介をされていました。質の高い保育を継続発展するためにも八潮幼稚園はその制度を活用する予定です。

 新制度では保護者の同意書やマイナンバーの記載が必要になりますが保育料は無料になります。また小規模園へのメリットも付加価値として付いてきます。保護者の皆様には新制度への移行にご理解をいただきたくお願い致します。